監修者プロフィール
五十嵐健吾
フレンチ・イタリアンの分野で10年以上のキャリアを積んだのち、和食の世界へ転向。西洋料理で培った技術と美意識を土台に、鮨職人の道へ進む。麻布十番の名店「みつい」の三井氏に師事し、素材の扱い・仕込み・握りの一つひとつを磨く。現在は、かきだ鮨グループにてメニュー開発と顧客満足の責任者を務める。

マグロは出世魚ではない――でも、理由を知ると面白い
結論から言ってしまうと、マグロは出世魚ではありません。
「えっ、そうなの?」と思った人も多いかもしれない。確かにマグロは高級魚の代表格で、お正月の初競りでは億単位の値がつくこともある。なんとなく”出世した魚”というイメージがあっても不思議じゃない。
でも、出世魚かどうかという話は「値段」や「格」の話じゃないんです。
そもそも「出世魚」とは何か

出世魚というのは、成長するにつれて呼び名が変わる魚のことを指します。
昔の武士や商人が、元服・出世のたびに名前を変えた慣習にちなんで、こう呼ばれるようになったと言われています。豊臣秀吉が「日吉丸→木下藤吉郎→羽柴秀吉→豊臣秀吉」と名を変えていったように。
代表格はブリ。関東では小さい順にワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、関西ではツバス→ハマチ→メジロ→ブリと呼び名が変わっていく。同じ魚なのに産地や文化によって名前が違うのも、また面白い。他にはスズキ(セイゴ→フッコ→スズキ)、ボラ(オボコ→イナ→ボラ→トド)なども有名です。
マグロが出世魚に含まれない理由

マグロは、基本的に幼魚の「メジマグロ」と成魚の「マグロ」という区別はあるものの、成長段階に応じて体系的に名前が変わっていく文化・慣習が定着していないんです。
一部の地域や漁師の間では幼魚を別の名で呼ぶこともありますが、ブリやスズキほど広く認知された「呼び名の変遷」がない。だから正式な出世魚のカテゴリには入らない、というのが実態です。
知識として押さえておくだけで、「実はマグロって出世魚じゃないんだよ」というネタが使えるようになる。宴会で一回くらいは役に立つかもしれません。
ちなみに本物の出世魚はこれ
改めて整理すると、日本で代表的な出世魚は以下の通りです。
- ブリ(ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ)
- スズキ(セイゴ→フッコ→スズキ)
- ボラ(オボコ→イナ→ボラ→トド)
- マダイ(チダイ→カスゴ→マダイ ※地域差あり)
いずれも「名前が変わる」という点が出世魚の共通条件。マグロはここに含まれない、ということです。
マグロには「別の意味での出世」がある
ただ、「出世魚じゃない」で終わらせるのも惜しい。マグロにはマグロなりの”出世の話”があります。
サイズで変わる、マグロの格

本マグロ(クロマグロ)の場合、同じ魚でも体重によって市場での評価がまったく変わります。
30kg以下の小型は「メジ」「ヨコワ」などと呼ばれ、価格も抑えめ。200kgを超えるような大型になると、脂の乗りが全然違う。同じ「マグロ」という名前でも、競りの場での扱われ方は別物に近い。
解体ショーをやっていると、「こんなに大きいとは思わなかった」という反応が毎回必ずある。実際に見るまで、マグロのサイズ感って想像しにくいんですよ。200kgを超えることもあるわけで、それを目の前にすると「魚ってこんな迫力があるのか」とちょっと感覚が変わる。
地域によって呼び名が変わることも
厳密な出世魚ではないとはいえ、地方によってマグロの呼び名が存在することは確かです。
たとえば関西・四国方面では幼魚のことを「ヨコワ」と呼ぶ地域があるし、漁師の間では独自の呼称が使われることも少なくない。全国を回ってマグロに関わる仕事をしていると、こういう地域差が意外と面白かったりします。
「本マグロ」と呼ばれるまでの話

ちなみに「本マグロ」という呼び名は、クロマグロのことを指します。
かつては単に「マグロ」と言えばクロマグロのことだった。でも輸入のミナミマグロやメバチマグロが市場に出回るようになって、区別するために「本マグロ」という言い方が定着してきた、という経緯がある。名前の変化という意味では、これも一種の”出世”と言えるかもしれない。
マグロ解体ショーで初めてわかること
実際に見ると、マグロのデカさに驚く

知識として知っていることと、目の前で見ることはまったく違う。
マグロ解体ショーでよくあるのが、お客さんが会場に入ってきた瞬間に「でかっ」と声を出す場面です。写真で見るのと、実際に横たわっている状態を見るのとでは、受ける印象が全然違う。
特に子どもたちの反応は面白くて、最初は怖がっていた子が、解体が進むにつれてどんどん前に出てくる。「これ全部マグロになるの?」とか「どこが一番おいしいの?」とか、自分から質問してくる。
解体を見ながら覚える豆知識が、一番頭に残る

「マグロは出世魚じゃない」という話も、本で読むより解体ショーの最中に聞いたほうが絶対に記憶に残る。
実際に腹を開いて、中を見ながら「ここが大トロ、ここが中トロ、ここから先が赤身になる」と説明されると、スーパーで柵を買うときの目線が変わる。「あ、あそこの部位か」って。
ショーの間に豆知識を挟むことで、お客さんの集中力が続くし、その後の食事も盛り上がる。エンタメとして成立しているのが、マグロ解体ショーの面白いところです。
イベントの場で使える「マグロ雑学」

周年パーティー、社内イベント、学校行事、婚礼披露宴――マグロ解体ショーはいろんな場で使われていますが、共通して「場が一体になる瞬間」が生まれます。
マグロが登場した瞬間の、あの空気感はなかなか他では作れない。「マグロって出世魚なんですか?」という質問が会場から飛んでくることも実際にあって、その場でさらっと答えられると、それだけでも盛り上がりのネタになる。
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| 料金の目安 | 100貫/10万円〜、400貫/25万円〜、1,000貫/50万円〜 |
| マグロの種類・サイズ | 100〜139kgクラスの本マグロを使用(例:139kg・125kg・130kgなど) |
| 所要時間 | 準備含め約2時間(ショー30〜40分+準備・片付け) |
| 含まれる内容 | マグロ本体、職人・スタッフ、備品一式、握り・刺身提供、後片付けまで含む全パッケージ ※マグロのみならず、他の刺身ネタもご用意 ※市場にほとんど出回らないプレミアムなジャパニーズウイスキーや、“幻の酒”と称される十四代などの高級地酒もご提供可能。VIP対応や特別な会にふさわしい一杯をご堪能いただけます。 |
